鉄道のトリビアその12

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「京成線には、3日間だけ設置された幻の駅がある」
京成電鉄といえば、東京の上野から成田空港などを中心に結び、千葉、東京に六つの路線をもつ私鉄です。
前置きがかなり長くなりますが、京成電鉄は開業当時、線路の幅(軌間)が1372mmでした。この軌間は日本特有のもので、鉄道馬車に由来し、偏軌、馬車軌などと呼ばれれています。また、京成電鉄は、有楽町(山手線でいうと東京の次の駅)への路線延長を計画していました。しかし行政は、「山手線の内側の鉄道は地下鉄とする」というような考えをもっていました。そのため、最終的には、京成電鉄は都営地下鉄1号線(現在の都営浅草線)へ乗り入れることになりました。地下鉄が別の鉄道と直通運転を行った例は、これが世界で初めてです。しかし、1号線には、当時八重洲(東京駅の近く)を目指していた京浜急行と直通運転をするため、軌間は1435mm(新幹線と同じ軌間。世界標準の軌間のため、『標準軌』と呼ばれます)で建設されることになりました。
そこで、京成電鉄は、全路線の軌間を、1372mmから1435mmに改めることになりました。しかも、列車を運休させることなく工事を行うため、工事は夜間に行われることになりました。しかし、一夜で全路線の工事を行うのは不可能なので、1回の工事につき、約8kmずつ作業を行うことになりました。そのため、工事期間中は、当然2つの軌間が混在する状態になります。2つの軌間の境界が、もとからある駅になるように工区が決められましたが、駅間距離の長い京成臼井(うすい)~京成佐倉(佐倉)間では、工区を適当な長さに収められませんでした。
そこで、この区間の、佐倉駅からうすい駅側へ約1.5kmのところに、工事期間中だけの乗り継ぎ専用の仮設駅を設けることになったのです。この仮設駅は、正式には「鹿島川専用乗継場」といい、軌間の違う区間の列車を乗り継ぐためだけのもので、近くの住民がこの仮設駅から電車に乗るなどといったことはもちろんできません。この駅は、1960年10月17日の第3工程が行われてから、10月20日の第4工程が行われるまでの3日間だけ存在しました。
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