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新幹線のATC

今日は山陽新幹線のATC(自動列車制御装置)についてお話します。
在来線では一般に、信号機や標識で運転士に制限速度や進行の可否を知らせていますが、高速で走行する新幹線では、目視で信号機や標識を確認しづらいため、運転台に指示速度(制限速度)が表示されるATCを使用します。山陽新幹線においてATCの指示速度は、300km/h、285km/h,275km/h,270km/h,230km/h,220km/h,170km/h,120km/h,70km/h,30km/h,×(ばってん:停止信号)があります。信号300km/hは500系のみ、信号285,275km/hは700系と500系のみに出ます。
駅に停車するときは、(現在の指示速度)→230(270以上の指示が出ているときのみ)→170→120(駅による)→70→30というように指示が出ます。ブレーキは自動で作動し、指示速度以下になると自動で解除されるので、運転士は特に操作をしなくても問題は無いのですが、信号30は特殊で、速度が30km/hになったとき、運転士が確認ボタンを押していなければブレーキは緩まず、そのまま停車してしまいます。(以前、運転士の居眠りで新幹線がホームの途中で停止してしまったのはこの操作をしなかったため)また、新幹線では列車をホームの中央に停車させる関係上、短い編成の列車だと、ATCの信号30km/hを受信し、自動減速に任せていると、停車のためのブレーキをかける地点を通り過ぎ、停車位置をオーバーランしてしまうため、駅手前に「B」とかかれた標識があり、その標識を通り過ぎたら手動で減速します。(一部の駅を除く)