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速度種別

今朝、小月駅に貨物列車が信号停車しました。理由は小月~長府間で踏切警報機が故障したからで、小月駅の出発信号機で一旦止めて、輸送指令と連絡をとった上で走らせていたようです。このおかげで貨物列車が発車する瞬間を間近で見ることができました。
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速度種別とは、鉄道のダイヤを作成するときに、運行する車両の速度の基準を表すものです。定義の仕方は鉄道会社によって異なるそうですが、JRの場合、上り10‰(*下の注参照)の勾配においての均衡速度(速度制限を考えない場合に出しうる速度)をアルファベットと数字で表します。同じ車種でも、編成の内容や路線の条件により異なることがあります。
アルファベットはある一定の数字を置き換えたもので、「A」は100km/hをあらわします。「B」は90km/hをあらわし、以降、「C」なら80km/h、というように、速度が10km/h下がるとアルファベットが次へ進みます。よって、アルファベットは0km/hをあらわす「K」まで存在しうることになります。新幹線の場合、200km/hを表す「S」、300km/hを表す「S」があります。
例えば、B05は95km/hをあらわし、10単位(100km/h以上では100単位)をアルファベットで表しているようです。
速度種別は、実例を挙げると、以下のように書かれます。
特通電A29 これは485系特急型電車の直流電化区間における速度種別です。
最初の「特」は特急列車であることを示します。列車種別を表す記号が付くのは特急列車だけです。
次の「通」は通過駅のある列車であることを表し、各駅停車の場合は「停」となります。
3字目の「電」は電車で運行される列車を表し、気動車(ディーゼル)なら「気」、客車列車(機関車単独の場合も含むらしい)は「客」、貨物列車なら「貨」となります。
A29は上記通り、上り10‰の勾配においての均衡速度が129km/hであることを表します。
他の例を挙げると、
高山本線の特急「ひだ」のキハ85系なら「特通気A27」
115系近郊型電車の普通列車なら「停電B8a」
EF81型電気機関車牽引の寝台特急「北斗星」なら「特通客C3」
同じくEF81牽引の貨物列車(交流60Hz電化区間でコンテナ貨車1200t分牽引)なら「通貨F6」
山陽新幹線における500系「のぞみ」なら「特通電U49」
という速度種別が使用されています。

* ‰:パーミル(千分率)。1000分の1を1とする単位で、鉄道線路の勾配の傾斜角をあらわすのにも使用されます。10‰の場合、水平方向に1000m進んだとき10m上昇または下降する勾配の傾斜角を表しています。

参考:フリー出典百科事典ウィキペディア「速度種別」「パーミル」