カテゴリ:運転システム( 15 )

今朝、小月駅に貨物列車が信号停車しました。理由は小月~長府間で踏切警報機が故障したからで、小月駅の出発信号機で一旦止めて、輸送指令と連絡をとった上で走らせていたようです。このおかげで貨物列車が発車する瞬間を間近で見ることができました。
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速度種別とは、鉄道のダイヤを作成するときに、運行する車両の速度の基準を表すものです。定義の仕方は鉄道会社によって異なるそうですが、JRの場合、上り10‰(*下の注参照)の勾配においての均衡速度(速度制限を考えない場合に出しうる速度)をアルファベットと数字で表します。同じ車種でも、編成の内容や路線の条件により異なることがあります。
アルファベットはある一定の数字を置き換えたもので、「A」は100km/hをあらわします。「B」は90km/hをあらわし、以降、「C」なら80km/h、というように、速度が10km/h下がるとアルファベットが次へ進みます。よって、アルファベットは0km/hをあらわす「K」まで存在しうることになります。新幹線の場合、200km/hを表す「S」、300km/hを表す「S」があります。
例えば、B05は95km/hをあらわし、10単位(100km/h以上では100単位)をアルファベットで表しているようです。
速度種別は、実例を挙げると、以下のように書かれます。
特通電A29 これは485系特急型電車の直流電化区間における速度種別です。
最初の「特」は特急列車であることを示します。列車種別を表す記号が付くのは特急列車だけです。
次の「通」は通過駅のある列車であることを表し、各駅停車の場合は「停」となります。
3字目の「電」は電車で運行される列車を表し、気動車(ディーゼル)なら「気」、客車列車(機関車単独の場合も含むらしい)は「客」、貨物列車なら「貨」となります。
A29は上記通り、上り10‰の勾配においての均衡速度が129km/hであることを表します。
他の例を挙げると、
高山本線の特急「ひだ」のキハ85系なら「特通気A27」
115系近郊型電車の普通列車なら「停電B8a」
EF81型電気機関車牽引の寝台特急「北斗星」なら「特通客C3」
同じくEF81牽引の貨物列車(交流60Hz電化区間でコンテナ貨車1200t分牽引)なら「通貨F6」
山陽新幹線における500系「のぞみ」なら「特通電U49」
という速度種別が使用されています。

* ‰:パーミル(千分率)。1000分の1を1とする単位で、鉄道線路の勾配の傾斜角をあらわすのにも使用されます。10‰の場合、水平方向に1000m進んだとき10m上昇または下降する勾配の傾斜角を表しています。

参考:フリー出典百科事典ウィキペディア「速度種別」「パーミル」
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いつもなら水曜はトリビアを紹介しますが、予定を変更させていただきました(ネタ切れです・・・)。m(_ _)m
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この世に電車が登場してから、電車、電気機関車の制御方式には、抵抗器で電流値を調整(発車時や低速時にモーターに高電圧が流れるとよくないため)する抵抗制御が主流でしたが、この場合、余分な電力は抵抗器から熱として捨てられ、電力に無駄が発生していました。
そこで登場したのがチョッパ制御です。
チョッパ制御を簡単に説明すると、スイッチのON・OFFを高速で繰り返し、ONとOFFの時間の比(デューティ比という)を変化させることによってモーターへ入る電力の平均電圧を変化させてモーターの回転数を制御するというものです。このスイッチのON・OFFは1秒に数百回というまさに目にもとまらない速さで繰り返されます。そのため、普通のスイッチではついていけません。そこで、半導体を使用します。半導体はおもにサイリスタが使用されます。そのため、サイリスタを使用している場合は「サイリスタチョッパ制御」とも呼ばれます。
チョッパ制御には2種類のタイプがあります。
モーターには、回転する部分である電気子(でんきし:回転子)と、その周りを取り囲む界磁(かいじ:固定子)があり、電気は電気子から界磁に流れます。モーター全体に流れる電力を制御するものは「電気子チョッパ制御」、界磁に流れる電気のみを制御するものは「界磁チョッパ制御」といいます。
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今日は山陽新幹線のATC(自動列車制御装置)についてお話します。
在来線では一般に、信号機や標識で運転士に制限速度や進行の可否を知らせていますが、高速で走行する新幹線では、目視で信号機や標識を確認しづらいため、運転台に指示速度(制限速度)が表示されるATCを使用します。山陽新幹線においてATCの指示速度は、300km/h、285km/h,275km/h,270km/h,230km/h,220km/h,170km/h,120km/h,70km/h,30km/h,×(ばってん:停止信号)があります。信号300km/hは500系のみ、信号285,275km/hは700系と500系のみに出ます。
駅に停車するときは、(現在の指示速度)→230(270以上の指示が出ているときのみ)→170→120(駅による)→70→30というように指示が出ます。ブレーキは自動で作動し、指示速度以下になると自動で解除されるので、運転士は特に操作をしなくても問題は無いのですが、信号30は特殊で、速度が30km/hになったとき、運転士が確認ボタンを押していなければブレーキは緩まず、そのまま停車してしまいます。(以前、運転士の居眠りで新幹線がホームの途中で停止してしまったのはこの操作をしなかったため)また、新幹線では列車をホームの中央に停車させる関係上、短い編成の列車だと、ATCの信号30km/hを受信し、自動減速に任せていると、停車のためのブレーキをかける地点を通り過ぎ、停車位置をオーバーランしてしまうため、駅手前に「B」とかかれた標識があり、その標識を通り過ぎたら手動で減速します。(一部の駅を除く)
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昨日に引き続き、今日は交流モーターについて解説していきます。
一般に知られているモーターは直流の電気で動く直流モーターですが、最近の鉄道車両では交流で動く交流モーター、中でも「誘導電動機」(インダクションモーター)が主流になってきています。交流モーターのしくみを説明すると、「U」形の永久磁石の開いたところに銅の円盤をはさみ、(磁石と円盤は触れていない)磁石をまわすと、銅板も同じ方向に回ります。磁石の動きによって銅板に生じる電磁誘導と、磁石の磁界によって回転力が生じるのです。
しかし、実際には、永久磁石と銅板の代わりに、「ローター」という筒状のものに「ステーター」という鉄板を重ねたものを組み合わせたものになっています。ローターには、120度間隔で3つのコイルが付いています。なぜコイルが3つなのかというと、それはここで登場する「三相交流(さんそうこうりゅう)」という交流電流を使うからです。
交流は一定のサイクルで+と-が入れ替わります。(たとえば周波数が60ヘルツの交流なら1秒間に60回入れ替わります)一定のサイクルでの運動は、その運動の状態が波で表され、その波の形を波形といいます。もちろん、交流の電気も波で表されるのですが、三相交流の場合、同じ波形の3つの波が3分の1サイクルずつずれて運動しています。そのため電線も3つあります。そして、それぞれの波を「U相(そう)」「V相」「W相」といいます。
そして、その3つの電線を、ローターの3つのコイルにそれぞれつなぎ、3つのコイルに順番に電気を流すとローターが回転し、モーターが動くのです。交流モーターは交流の周波数(1秒間に+と-が入れ替わる回数)が変わると回転数が変わるという性質があります。そこでインバータを使って交流の周波数を変えてモーターの回転数をコントロールするのがVVVFインバータ制御なのです。
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電車や電気機関車は架線から電気を取り入れてモーターを回して走りますが、架線から取り入れた電流を常に同じ電圧のままモーターに流すと、発進時やあまりスピードを出さないときは電圧が強すぎてしまいます。だからといって電圧を弱くしすぎるとスピードが出ません。そのため、モーターに過不足なく電気を送ってやる必要があります。電車や電気機関車は取り入れた電気の電圧を制御してモーターの回転数を制御しています。以前は抵抗器を使っていましたが、現在ではこれから解説するVVVFインバータ制御が主流となっています。
VVVFインバータ制御とは、交流電流の周波数(1秒間に+と-が入れ替わる回数:たとえば60ヘルツなら1秒間に60回入れ替わる)を変え、モーターの回転数を制御するというものです。ただし、そのモーターは私たちが知っているモーターとは違う「交流モーター」というものを使用しています。話が長くなるので交流モーターについては次回でじっくりと解説します。
インバータとは、直流を交流に変えるものです。その逆に交流を直流に変えるものがコンバータです。ここでは、高速でスイッチのON・OFFを繰り返すことによって直流から交流を生み出します。しかし、そのスイッチの切り替えは1秒間に約1000回にもなるので、機械的なスイッチでは無理なので、半導体を使用します。初期のVVVF制御では「GTOサイリスタ(ゲートターンオフサイリスタ)」が使用されていましたが、最近はこれより低コストの「IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)」が主流です。
VVVF制御では、電車が発車するときに特徴的な音が発生します。GTOの場合「ポヨ~ ポヨ~」という重低音が、IGBTの場合「キューン」という軽い高い音が発生します。これはインバータのスイッチングによって起こるもので、スイッチングを調整することによって解決でき、京浜急行の新型車(2100形と新1000形)などでは発進時に「ファソラシドレミファソ~」という音階が聞こえるようになっています。また、最近では人間が聞こえにくい高周波音にもなっています。
参考文献「図解・鉄道の科学」宮本昌幸著 講談社ブルーバックス
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1つの線路上を複数の列車が同時に運行すると、両者が衝突する可能性が生じます。1つの線路上に1つの列車しか走らせなかったら衝突することはありませんが、乗客数の多い区間ではそうはいきません。そこで、線路を複数のブロックに分け、1つのブロックに1つの列車しか入れないようにすれば、衝突することなく複数の列車を走らせることができます。これが「閉塞(へいそく)」というシステムです。先ほどのブロックのことを「閉塞区間」といいます。この閉塞区間には、原則として1つの列車しか入ることができません。各閉塞区間の入り口には信号機を設置し、列車の運転士にその閉塞区間に入ることができるかどうかを知らせます。そのような信号機を、「閉塞信号」といいます。信号機は基本的に、進行(緑色)、注意(黄色)、停止(赤)の3つの表示(信号現示という)を出します。「進行」は、その区間での最高速度で走行できます。「注意」は、1つ先の閉塞区間に列車がいることを示し、一般に45km/hの速度制限(場所によって違います)がかかります。また、その次の信号機は「停止」となっています。「停止」はその閉塞区間に列車がいるため、後続列車が進入できないことを示しています。また、駅の入り口には「場内信号機」、駅の出口には「出発信号機」があります。これらの機能は閉塞信号と基本的に同じですが、駅への出入りができるかどうかを知らせる意味もあります。余談ですが、「出発進行」とは、この出発信号機が進行であることを示しています。

      進行        注意        停止
  信号機→                  
□□□□----|--------------|---------------|--□□□□-
後続列車               | ←閉塞区間→|  前の列車
列車の進行方向→        

しかし、高速運転区間など、注意信号を見てから減速したのでは間に合わない場合は、注意信号の手前に「減速」信号(緑+黄色:一般に制限70km/h)を、閉塞区間が短い場合や、駅手前などでは、停止信号の手前に「警戒」信号(黄色2つ:制限25km/h)を設けます。
線路の2本のレールには信号用の電流を流しておき、そこを列車が通ることによって列車の車軸を通して2本のレールの電流が混ざる(短絡)ことによって列車がいることを検知できるようになっています。このような状態になると停止信号が出るようになっています。これを「軌道回路(きどうかいろ)」といいます。

本日は「鉄道のトリビア」を予定していましたが、諸般の都合により自粛させていただきました。m(_ _)m
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今日は、京成電鉄の信号方式についてお話します。信号現示は通常と同じ、進行、減速(制限75キロ)、注意(制限45キロ)、警戒(制限25キロ)、停止です。ATS方式は、京急や浅草線と同じ1号線式 ATSですが、速度照査のやり方に違いがあります。京急と比較すると、京急の場合、連続照査(常に速度制限を守らなければならない)は注意、停止だけですが、京成の場合、進行以外のすべての現示で連続照査になっていて、速度オーバーがあった場合は、直ちに常用最大ブレーキが減速、注意のときは45キロ以下になるまで、警戒のときは停止するまで作動します。また、京急の場合、速度照査が行はれる速度は、各現示の制限速度+5キロですが、(警戒を除く)京成の場合は、「各現示の制限速度=照査が行われる速度」となっています。
閉塞区間(信号機と信号機の間)は、信号機の先150mを重複区間とし、列車がこの重複区間を越えるまでは、その信号機の1つ前の信号機も赤(停止)のままです。(この方式を「ハーフオーバーラップ方式」というそうで、京王電鉄もこの方式を採用しているそうです)
速度照査標識は、京急のB点標と違い、「ループ始端表示板」という標識があり、停止信号の手前では15キロ以下で通過しなければなりません。(停止信号以外では機能しません)また、終端駅(少なくとも成田空港駅)では、速度制限25キロのループ始端表示板が設置されています。「ループ始端表示板」は、オーバーランや、誤出発を防止するために設置されています。また、成田~空港第2ビル間にある、成田空港方面と東成田方面の線路が分かれる駒井野信号場手前では成田空港駅へ行く列車に対する制限55キロを守らせるため、短い間隔で速度照査を行う「速度確認標」(正式には標識ではありません)があり、制限100キロ、制限90キロ、制限80キロ、制限70キロの標識が200m間隔で設置され、制限速度を超えると70キロ以下になるまでブレーキがかかります。
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昨日、西鉄のATSについて調べていたら、某掲示板に西鉄のATSに関する書き込みを見つけました。それによって、西鉄のATSのだいたいのシステムがわかりました。
整理すると、西鉄のATSは速度照査式で、速度超過すると保安ブレーキが作動するそうです。西鉄の駅(停車場)の出発信号機は停止現示(赤信号)が定位、すなわち普段は赤になっています。そして、列車が駅に停車する直前か、発車時刻になるまで信号は進行(青)にならないそうです。このとき、出発信号機はCTC(列車集中制御装置)によって停止現示(赤)にさていて、その手前の信号機(場内信号機)は注意現示(黄:制限45キロ)、さらにその手前の信号機(第1閉塞信号)は減速現示(制限70キロ)となっているそうです。また、駅側に踏切がある場合は、信号機とは別に、標識による70キロと45キロの特別な速度照査を受けるそうです。
ATSからは離れますが、西鉄の車両は、600系を除いて、停車駅に近づくと運転台からアラームがなるそうです。また、ブザーによる運転士と車掌の間での停車駅の確認や、マイクによる連絡も行われるそうです。
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今日のトリビアはこちらです
「戦時中工事が中止され、戦後、別ルートで工事が開始されたが、再び工事が中止された国鉄路線がある」
これは、広島と島根県の浜田を結ぶ予定だった国鉄今福(いまふく)線のことです。国鉄は、このルートの一部とするため、現在のJR可部線の前身である広浜(こうひん)鉄道(横川~可部)を買収し、昭和44年には、可部~三段峡間(現廃止)が開通しました。島根県側では、昭和8年に、山陰本線下府(しもこう)駅から今福(石見今福)までが着工しましたが、完成直前で太平洋戦争のため工事は中断してしまいました。
そして、昭和44年、今福~浜田間が戦前にほぼ完成していたルートとは別ルートで着工し、昭和49年には今福~三段峡間も着工しましたが、昭和55年に工事は凍結してしまいました。よって、この路線は2回に渡って工事が中止されてしまい、広島と浜田を結ぶ鉄道路線計画は幻となってしまいました。
参考文献:JTBキャンブックス「鉄道廃線跡を歩くⅴ」宮脇俊三編著(1998年)

お知らせ
6月分の記事を削除しようと思っておりますので、見たい方はお早めにご覧下さい。
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先週のATSに引き続き、今日は東急のATCについてお話します。
東急のATCがJRのATC(京浜東北線や山手線のものを基準として)と違うところは、表示される信号にあります。
JRのATCは、0、25、45、65、75、90と、先行列車との間隔を調整する信号しか出ず、曲線などの速度制限は標識によって
課せられていました。しかし、東急のATCは、25km/h以上なら5km/h刻みで速度を指示することができます。そのため、曲線などに対
する速度制限もATCによって課せられます。
東急のATCは、運転台に指示速度が逐次表示されるキャブシグナル(車内信号)式ATC(CS-ATC)で、速度計の周りにはキャブ
シグナルの表示器があり、指示速度の目盛りのそばにランプが点灯します。速度計の上側には赤と緑のランプがあり、0km/hの信号を受信
すると赤、それ以外の信号を受信すると緑のランプが点灯します。また、前方予告機能によって次の閉そく(信号と信号の間のこと)で、
現在速度よりも低い速度が指示される場合は、「ピー、ピー」という音が鳴り、運転士に注意を促します。
ATCの表示パターンですが、先行列車との間隔を調整する信号は、90、70、55、45、20、0km/hの信号です。もし列車が
90キロで走っていて、停車している先行列車に接近している場合、90→70→55→55→45→20→0というように信号を受信します。
このとき、列車は先行列車の2閉そく手前で停止するようになっています。
詳細については、東急の公式ホームページをご覧ください。
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