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ニューヨークの地下鉄~車両編

前回、前々回に引き続き、今日は車両についてお話します。
車両はDivisionAとDivisionBの2つに大別され、前者は大型車、後者は小型車です。大型車は全長が約18m(大阪市営地下鉄と同じくらい)または約23m(JRの特急型車両より少し長い)、後者は全長が約15m(名古屋市営地下鉄東山線と同じくらい)です。大型車はIRT services(路線記号が数字の路線)小型車はIND/BNT services(路線記号がアルファベットの路線)で使用されています。
車両の形式名は頭に「R」が付いています。(Rの意味は諸説あるらしい)大型車はR62,R62A,R142,R142A,R142S、小型車にはR32,R32A,R38,R40,R40A,R42,R44,R46,R68,R68A,R143,R160A,R160Bという形式があります。車体色はほとんどが地のままの銀色で、スタイルはもう走っていませんが、東急(東京急行電鉄)7000系(現在は7700系に改造または北陸鉄道などに譲渡)になんとなく似ています。実際東急7000系は、アメリカのステンレスメーカであるバッド社との技術提携で造られ、NYの地下鉄車両もバッド社製のものもあることから、両者は親類といえるでしょう。最近では、川崎重工など、日本のメーカーが製造した車両(R142,R143など)も登場しています(実際は現地の工場で造られているらしい)。現在は引退していますが、NYの地下鉄の旧型車は「レッドバード」と呼ばれたえんじ色の車両が走っていました。現在、引退した車両の一部はブルックリンのConey Israndにある引込み線で稼動状態で保存され、休日などには営業列車に使われることもあるそうです。
電気は架線ではなく、東京メトロ銀座線、丸ノ内線と同じく、線路脇のレール(サードレール、第三軌条)から供給されています。信号方式は不明です。
NYの地下鉄車両(最近のものはどうなのかはよくわかりませんが)の外幌は、少し変わった形態をしています。外幌とはいわば転落防止柵で、車両間の連結面ていて、連結部分で車両間の隙間にホームを歩いている人が転落するのを防ぐ役割を持っています。日本の最近の車両では連結部に出っ張りがありますが、それが外幌(転落防止幌)です。NYの地下鉄の外幌は、ベビーフェンスのような構造をしています。これは連結面だけでなく、車体の正面にもあります。これと同じ形態の外幌は、大阪市営地下鉄の旧型車にも付いていて、名前は「安全畳垣」というそうです。
最後にトリビア的な話ですが、NYの地下鉄では、東京の地下鉄丸ノ内線を走っていた500形(赤い車両)をNYの地下鉄で保存しようと、旧営団(現東京メトロ)に打診したそうです(500形がNYの地下鉄車両を参考にしているため)が、そのとき残っていたものはすべて商社を通じてアルゼンチンのブエノスアイレスの地下鉄に譲渡されることが決まっていたため実現しなかったそうです。もし実現していたらNYで東京の地下鉄に出会うことができたかもしれません。